おしゃべりサロン くらら舎


生きているということは学ぶこと
by kuraramichiko
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母へのヘアーカット

窓を開け放つと 今朝の気温は 室内でも24度。

61日も続いた岡山の暑い真夏日も ようやく区切りがついた。

扇風機もエアコンも 今朝は不要。



昨夜の雨で 庭の水撒きもお休み。

熱暑のため 葉先が焦げて枯れかけた柿や無花果

家の前に落ちた街路樹のわくら葉を 拾い集めて 今朝の作業は終了。



早めの朝食を済ませて みちこは 自分のお弁当づくり。

常備菜の三色きんぴらと干し大根の酢の物 

少し甘めの卵焼きを冷まして お弁当箱に詰める。

そして一服。テレビ小説やワイドスクランブルを視た後 亡夫への看経を済ませる。

  

以上 みちこの朝は 大体このようなパターンで進んでいる。



今日も 正午のサイレンと前後して 実家に飛び込む。

甥のお嫁さんのY子さんは 既に母をベットから起こしてエプロンをかけ

食事をとらせていた。



なるべく自分で食べるようにと 見守りながら みちこも持参の弁当を開く。

互いに顔を見ながらとる食事は美味しく 耳が遠い事もあって寡黙になってしまった母も

「美味しいょ」と応えてくれる。卵焼きを一口おすそ分けする。



入れ歯洗浄のあと 今日は母のヘアーカットだ。

意のままに体や首を動かせてはもらえない為 みちこは

ベットの横を 左右に回りながらハサミを入れる。

髪の毛が少なくなっているため 素人のみちこでも何と

か「様になる」カットができる。なぁーんて。

熱いタオルで襟足を拭って終了。



母もみちこも 色黒で お世辞にも「美人とは言えない」母娘だが 

後頭部 特に母の「襟足は」ほっそりと生え際も整っていて

「振り向きさえしなければ美人にみえます」

ナンチャッテ。



百歳の頃は「アリガトウョ。散髪代が助かったょ」なんて言っていたが 

今日も母は黙って合掌するのみ。生き仏様になってしまった。

こちらこそ 娘として 母には「感謝」の合掌を捧げても

捧げきれないほとの「愛」をいただいている、、のに。

お返しは しきれなく 到底及びもつかない、、のに。



今年の「敬老の日」は 丁度ショートで お世話になっている特養から 

母は 自宅に帰る日である。

けれども みちこにとって「敬老の日」は 

待ったなく看守りと共にオムツ交換や食事の用意をしてくれ 

頑張っている 甥のお嫁さんや 80歳近い実兄に ゆっくり休み 息抜き

をしていただく日として「過ごしてもらいたい」と願っている。



先日 NHKの「ためして合点」を視ていたら 接し方に依って 

認知症は「進行を遅らせ 若干回復もする」という内容で 

特別難しい事ではない為 今日 みちこは試みてみた。

爽やかな好天気のせいか 母の表情は穏やかで

自宅に帰っていながら「家に帰りたい」とも言わなかった。

何時もより多く 今日は2時間余り母と共に過ごし 

手に触ったり 足指を揉んだりして過ごした。

母が 間違ったことを言っても 即座に「母さん違うョ」と

大きな声で「否定」しないで 先ず「容認」したほうがよい

のだそうだ。 



母の頭を少し下げ みちこは 実家の新聞を読んだりテレビ

を視たり 極力母の傍に長くいるように今日は努めた。

暫くして 母の瞼は 次第に重くなったのか 閉じたり開け

たりしはじめた。そして眠りについた。母は「赤ちゃんにな

ったのだ」と みちこは思った。



107歳の しなびた赤ちゃんだけれども みちこにとって

こんなに愛しい人は無い。

みちこは そーっと抜けだし 実家を後にした。
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by kuraramichiko | 2010-09-16 19:45 | 想いのままに
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